Nature ハイライト
触媒化学:高まるディーゼル燃料生産の将来性
Nature 528, 7581
新世代の一元機能触媒は、精密に制御され最適化されたナノスケールの特徴によって性能が次第に向上している。今回J Zečevićたちは、二元機能水素化分解触媒の性能もまた、ナノスケールの最適化によって向上し得ることを示している。二元機能触媒は金属サイトと酸サイトを持つが、最適性能を得るにはこれらのサイトができるだけ近接している方がよいと、長年にわたって経験的に考えられていた。しかし著者たちは、金属サイトと酸サイトを近接させ過ぎると選択性が低下する可能性があり、金属サイトと酸サイトをナノメートルスケールの間隔で配置するとよいことを見いだした。この研究結果を利用すれば、天然ガス、植物油、藻類油などの代替源からディーゼルをより効果的に生産できるようになるかもしれない。
2015年12月10日号の Nature ハイライト
量子物理学:手に負えないスペクトルギャップ問題
細胞内シグナル伝達:カルシウムシグナルを介した食餌刺激
多能性幹細胞:CAF-1は細胞運命の変化を阻止する障壁である
免疫学:Treg細胞の居場所と自己免疫
分子生物学:Pol IIIの高分解能構造
触媒化学:高まるディーゼル燃料生産の将来性
気候変動:将来の降水量に対するモデル計算の答え
固体地球科学:岩石の摩擦はスケールの問題
心理学:子供が「それは不公平だ」と思うようになるとき
微生物学:メトホルミンが腸内マイクロバイオームに与える影響
がん幹細胞:腫瘍の不均質性の急速な進化