Nature ハイライト
多能性幹細胞:CAF-1は細胞運命の変化を阻止する障壁である
Nature 528, 7581
発生における細胞系譜の運命決定や、異なる運命への実験的な再プログラム化は、クロマチンの全体像へ影響を及ぼす諸因子によって調節される遺伝子発現プログラムに依存している。K Hochedlingerたちは今回、RNA干渉法を用いた2種の網羅的スクリーニングを行い、再プログラム化を妨げるクロマチン関連因子を探索した。彼らはCAF-1(chromatin assembly factor-1)複合体がこの過程の重要な調節因子であり、転写因子がクロマチンへ近づきにくくすることによって作用することを見いだした。従って、CAF-1機能を抑制すると、多能性への再プログラム化と直接的な運命転換のいずれにおいても、再プログラム化因子がクロマチンへ到達しやすくなる。
2015年12月10日号の Nature ハイライト
量子物理学:手に負えないスペクトルギャップ問題
細胞内シグナル伝達:カルシウムシグナルを介した食餌刺激
多能性幹細胞:CAF-1は細胞運命の変化を阻止する障壁である
免疫学:Treg細胞の居場所と自己免疫
分子生物学:Pol IIIの高分解能構造
触媒化学:高まるディーゼル燃料生産の将来性
気候変動:将来の降水量に対するモデル計算の答え
固体地球科学:岩石の摩擦はスケールの問題
心理学:子供が「それは不公平だ」と思うようになるとき
微生物学:メトホルミンが腸内マイクロバイオームに与える影響
がん幹細胞:腫瘍の不均質性の急速な進化