Nature ハイライト

集団遺伝学:古代DNAから推定される選択圧

Nature 528, 7583

約8500年前のヨーロッパにおける農耕文化の到来は人類進化の極めて重要な事象の1つである。今回その経緯を探る手掛かりとして、古代DNAを用いた研究が行われた。紀元前6500~300年の西ユーラシア人230人からゲノム規模のスキャンデータが得られ、その中に含まれる、新石器時代のアナトリアの新石器時代農耕民26人の標本は、地中海東部地域の人々に由来するものとしては最初のゲノム規模の古代DNAである。著者たちは、食餌、体色および免疫に関連する座位に選択がかかったことを示す証拠を見いだした。最も強い選択シグナルは、乳糖分解酵素の活性持続(乳糖耐性)を担う対立遺伝子に存在し、ヨーロッパで乳糖耐性の頻度が大幅に増えたのはわずか4000年前のことだとする見方が裏付けられた。

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