Nature ハイライト
工学:全てを備えたチップ
Nature 528, 7583
コンピューターシステムとデータセンターにおけるチップ間の高速データ転送は、現行の情報処理におけるボトルネックの1つとなっている。速度を高める1つの方法は電線ではなく光接続を使うことであり、過去10年の多大な取り組みによって、シリコンベースのナノフォトニック法が開発され、シリコンチップ内にそうしたリンクが集積されるようになった。しかし、エレクトロニクスとフォトニクスで使われる製造工程の間の不適合性が障害になることが分かっている。今回C Sunたちは、エレクトロニクスとフォトニクスをうまく集積させた「システムオンチップ」マイクロプロセッサーについて報告している。しかもこのマイクロプロセッサーは、現在の標準的なマイクロエレクトロニックチップ製造法で作製された。作製されたマイクロプロセッサーは7000万個のトランジスターと850個のフォトニクス部品を組み合わせており、外部と光学的に通信できる。今回の結果から、新たな高速低電力コンピューターシステムアーキテクチャーを開発できる見込みが出てきた。
2015年12月24日号の Nature ハイライト
化学:ネットワーク解析を用いた複雑分子の合成戦略
集団遺伝学:古代DNAから推定される選択圧
環境微生物学:硝化を考え直すべきとき
発症機序:嚢胞性繊維症インタラクトーム
免疫学:17型ヘルパーT細胞の病原性を修飾する因子
高エネルギー宇宙物理学:明らかにされた高速電波バースト天体
工学:全てを備えたチップ
材料科学:マグネシウム合金複合材料の新しい作製法
免疫学:腸の修復機構
結核:ATG5タンパク質の感染防御における役割