Nature ハイライト
神経科学:捕食者のにおいに応答する神経回路
Nature 532, 7597
マウスが捕食者の揮発性のにおいにさらされると、それが引き金となって、ストレスホルモンである副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)や副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、コルチコステロンが急増するなどの本能的な恐怖反応が誘発される。こうした定型的な応答には、生来的に備わっている神経回路が介在している可能性が高いが、これに関わる嗅覚野の領域はいまだに分かっていない。今回L Buckたちは、捕食者の揮発性におい物質によって活性化される嗅覚野領域が、視床下部CRHニューロンの上流に位置する扁桃体–梨状葉移行野のみであることを突き止めた。さらに、この領域は、捕食者の揮発性におい物質に対する恐怖反応としてのホルモン変化には関与するが、行動変化には関与しないことも明らかになった。
2016年4月7日号の Nature ハイライト
生物地球化学:土壌管理で気候変動を緩和する
神経科学:神経発達障害に見られるPTCHD1欠失
微生物学:ヒト真菌病原体で見つかった毒素
素粒子宇宙物理学:近傍の超新星の同位体記録
気候科学:過去12世紀の水文気候変動
生物地理学:最終氷期極大期以後の島の生物多様性
神経科学:捕食者のにおいに応答する神経回路
幹細胞:半数体のヒト幹細胞
免疫学:Lypd8は上皮から微生物相を隔離する
構造生物学:レナリドミドはがんタンパク質を分解の標的にする