Nature ハイライト
幹細胞:半数体のヒト幹細胞
Nature 532, 7597
哺乳類の細胞は染色体をそれぞれ2コピーずつ持つ二倍体であり、そのため遺伝子機能の解析が複雑になる可能性がある。マウスで半数体の胚性幹細胞が作製されたことで、遺伝子機能をより簡便かつ速やかに研究できるようになった。となれば、同様の手法がヒト細胞でも可能になるはずだ。I Sagiたちは今回、半数体の卵母細胞から半数体のヒト胚性幹細胞を作製した。作製された細胞は、X染色体不活性化や遺伝子発現レベルの低下の点で二倍体細胞と違いはあるものの、正常な半数体核型と、自己複製や分化といった多能性特性を維持していた。著者たちは、この細胞が機能喪失による遺伝的スクリーニングに使用できることを示している。
2016年4月7日号の Nature ハイライト
生物地球化学:土壌管理で気候変動を緩和する
神経科学:神経発達障害に見られるPTCHD1欠失
微生物学:ヒト真菌病原体で見つかった毒素
素粒子宇宙物理学:近傍の超新星の同位体記録
気候科学:過去12世紀の水文気候変動
生物地理学:最終氷期極大期以後の島の生物多様性
神経科学:捕食者のにおいに応答する神経回路
幹細胞:半数体のヒト幹細胞
免疫学:Lypd8は上皮から微生物相を隔離する
構造生物学:レナリドミドはがんタンパク質を分解の標的にする