Nature ハイライト
Cover Story:終わらない夏:温暖な冬が米国民の気候変動への関心を冷ましている?
Nature 532, 7599
表紙は、1903年に設立された全米最古の寒中水泳クラブである「コニーアイランド・ポーラーベア・クラブ」が2016年1月1日に行った毎年恒例の初泳ぎの様子。参加者の1人は「外はまるで夏のようだ」と語っていた。将来の気候変動により、世界の多くの地域が徐々に人が住むのに適さない状態になっていくと予想されている。それならばなぜ、気候変動の緩和策について広範囲にわたる公的支持を得ることがこのように難しいのだろうか。P EganとM Mullinは今回、米国の気象状態についての人口の重み付けを行った解析を用いて、米国民の大半はより温暖な冬を現在過ごしていて、以前よりもかなり過ごしにくい夏などのよくない変化は感じていないことを明らかにしている。現在の気象パターンは、米国民が気候変動に対する政治的な対応を要求する動機付けにはなりにくいだろうと彼らは考えている。だが、情勢は変化するだろう。 米国の気象予測は、将来は状況がおそらく悪化するだろうとしており、それに伴って大衆の懸念も高まるかもしれない。
2016年4月21日号の Nature ハイライト
幹細胞:骨髄血管の専門化
エピジェネティクス:哺乳類ゲノムにおけるN6-アデニンのメチル化
構造生物学:抗うつ剤の構造活性相関
宇宙物理学:孤立銀河に見つかった超大質量ブラックホール
超伝導:クーパー対凝縮体の可視化
考古学:フローレス原人の年代はもっと古かった
神経科学:皮質興奮性ネットワークのコネクトミクス
細胞生物学:マグネシウムイオンを用いる生物時計
幹細胞:加齢に関連した骨髄の変化
微生物学:CRISPR–Cas免疫に見られる多様性