Nature ハイライト
細胞生物学:マグネシウムイオンを用いる生物時計
Nature 532, 7599
生物の生理と行動とを協調させる周期的な遺伝子発現パターンに概日時計が関与していることは、ずっと以前から知られていた。さらに最近になって生化学的振動子の存在が突き止められ、これらにも周期的変化が見られ、生理学的性質に影響を与えていることが明らかになった。今回G van Ooijenたちは、細胞内Mg2+濃度の変化に概日リズムが見られることを報告している。この概日リズムはヒト細胞と単細胞藻類の両方に存在するらしい。Mg2+がATPの補因子として重要であることを考えると、このイオンの濃度変動は一日周期での細胞のエネルギー消費を調節している可能性がある。
2016年4月21日号の Nature ハイライト
幹細胞:骨髄血管の専門化
エピジェネティクス:哺乳類ゲノムにおけるN6-アデニンのメチル化
構造生物学:抗うつ剤の構造活性相関
宇宙物理学:孤立銀河に見つかった超大質量ブラックホール
超伝導:クーパー対凝縮体の可視化
考古学:フローレス原人の年代はもっと古かった
神経科学:皮質興奮性ネットワークのコネクトミクス
細胞生物学:マグネシウムイオンを用いる生物時計
幹細胞:加齢に関連した骨髄の変化
微生物学:CRISPR–Cas免疫に見られる多様性