Nature ハイライト
エボラウイルス:致死的エボラウイルス病が示す免疫学的マーカー
Nature 533, 7601
今回C Muñoz-Fontelaたちは、ギニアでエボラウイルスに感染した人たちのT細胞応答を追跡した。患者がギニアのエボラ治療センターに入院した時点から、退院あるいは死亡するまでを追跡した結果、致死的エボラウイルス病の特徴となる免疫シグネチャーが明らかになった。致死的感染では、抑制分子のCTLA-4やPD-1を発現しているCD4+ T細胞およびCD8+ T細胞の割合が高く、これが高いウイルス負荷と相関していた。対照的に、感染を乗り切った患者ではこのような抑制分子の発現が少なかった。この結果は、T細胞応答の調節異常がエボラウイルス病の病態生理の重要な構成要素であることを示唆している。
2016年5月5日号の Nature ハイライト
核物理学:原子核時計を実現するときが来たのか
神経科学:何枚もの視覚野地図
生物工学:害虫のBt毒素耐性に打ち勝つ
材料科学:新しい極性金属、理論から合成へ
幹細胞:パーキンソン病におけるSNCA遺伝子
エボラウイルス:致死的エボラウイルス病が示す免疫学的マーカー
ウイルス学:HIV-1感染に対する免疫学的予防
免疫学:オートファジーとループスの病因
細胞生物学:単一タンパク質が触媒するユビキチン化
遺伝子工学:幹細胞のCRISPR/Cas9による編集