Nature ハイライト
Cover Story:多能性を詳細に見直す:iPS細胞の10年間 — 我々が学んだこと
Nature 534, 7607
誘導多能性幹(iPS)細胞は医療技術革新の先駆けになると考えられてきた。患者の皮膚や血液などの細胞を再プログラム化してiPS細胞とすれば、それを使って肝細胞やニューロンをはじめ、疾患の治療に必要などんな細胞も分化・増殖させることができると期待されたのである。こうした発見から10年たった現在、iPS細胞は依然として有望視されているが、重用されている分野は再生医療から、ヒト疾患のモデル作製や研究、また薬剤スクリーニングへと移ってきている。今週号のNews Featureでは、この10年の進展をチャートで示し、iPS細胞研究の現状と予想される今後の傾向について論じる。
2016年6月16日号の Nature ハイライト
幹細胞:タンパク質合成と幹細胞性
がん:p53とc-Myc経路の両方を標的にする
構造生物学:膜タンパク質の構造を脂質ナノディスクを使って保持する
地形学:ばらばらにならない彗星67Pの核
統計物理学:記憶の飛んでいない酔歩者の統計
材料科学:強誘電複合酸化物のモデル化
テクトニクス:南海トラフ地震発生帯
幹細胞:繊維芽細胞からニューロンへの再プログラム化
がん免疫学:抗PD-1/PD-L1抗体療法に対する反応性の診断マーカー
がん:膵臓がん治療の標的となるMusashiタンパク質
構造生物学:アミノ酸/代謝産物排出体の構造