Nature ハイライト
がん:p53とc-Myc経路の両方を標的にする
Nature 534, 7607
チロシンキナーゼ阻害剤は、慢性骨髄性白血病(CML)患者に対する第一選択の治療であり、発がん性BCR–ABL融合遺伝子を標的とする。しかし、再発は避けられず、その原因はおそらく薬剤耐性の白血病幹細胞(LSC)集団である。今回の研究で、LSCの調節に、p53とMycのシグナル伝達ネットワークが同時に関与していることが明らかになった。著者たちは、マウスとヒトのCML細胞モデルで、p53とc-Myc経路の両方を遺伝的あるいは薬理学的に標的とすることで、疾患をより効率的に中和できることを示している。
2016年6月16日号の Nature ハイライト
幹細胞:タンパク質合成と幹細胞性
がん:p53とc-Myc経路の両方を標的にする
構造生物学:膜タンパク質の構造を脂質ナノディスクを使って保持する
地形学:ばらばらにならない彗星67Pの核
統計物理学:記憶の飛んでいない酔歩者の統計
材料科学:強誘電複合酸化物のモデル化
テクトニクス:南海トラフ地震発生帯
幹細胞:繊維芽細胞からニューロンへの再プログラム化
がん免疫学:抗PD-1/PD-L1抗体療法に対する反応性の診断マーカー
がん:膵臓がん治療の標的となるMusashiタンパク質
構造生物学:アミノ酸/代謝産物排出体の構造