Nature ハイライト

構造生物学:膜タンパク質の構造を脂質ナノディスクを使って保持する

Nature 534, 7607

TRP(transient receptor potential)チャネルは、幅広い物理的刺激や化学的刺激のセンサーとして機能している。今回D Juliusたちは、低温電子顕微鏡法と脂質ナノディスク技術を組み合わせて、カプサイシンの受容体であるTRPV1の膜二重層中での構造を解いた。その結果から、脂質とリガンド結合の調節の機構が明らかになった。精製したTRPV1タンパク質を脂質ナノディスク中で再構成するこの手法では、標的分子を安定化するためによく使われる界面活性剤や両親媒性ポリマーのアンフィポルなどよりも天然に近い環境中にタンパク質が存在することになるので、他の複雑な膜タンパク質についても三次元構造解析が促進される可能性がある。

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