Nature ハイライト
地形学:ばらばらにならない彗星67Pの核
Nature 534, 7607
彗星探査機ロゼッタによる観測によって、67P/チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(67P)の馬蹄形状の核が明らかになっており、67Pの構造は、2つの構成要素が個別に形成された後、低速でくっついたことを示唆している。今回、D Scheeresたちは、67Pの核の構造とダイナミクスをモデル化した研究結果を報告している。彼らは、昇華によるトルクに起因して67Pの核の回転が生じ、核のくびれ部分に見られる大きな裂け目が形成された可能性があることを示した。こうした裂け目が広がって、いずれは核が2つに分裂する可能性があるが、分裂した構成要素は互いを振り切ることはできず、最終的には再び合体するだろう。
2016年6月16日号の Nature ハイライト
幹細胞:タンパク質合成と幹細胞性
がん:p53とc-Myc経路の両方を標的にする
構造生物学:膜タンパク質の構造を脂質ナノディスクを使って保持する
地形学:ばらばらにならない彗星67Pの核
統計物理学:記憶の飛んでいない酔歩者の統計
材料科学:強誘電複合酸化物のモデル化
テクトニクス:南海トラフ地震発生帯
幹細胞:繊維芽細胞からニューロンへの再プログラム化
がん免疫学:抗PD-1/PD-L1抗体療法に対する反応性の診断マーカー
がん:膵臓がん治療の標的となるMusashiタンパク質
構造生物学:アミノ酸/代謝産物排出体の構造