Nature ハイライト
プロテオミクス:低分子プローブの発見
Nature 534, 7608
FBLD(fragment-based ligand discovery)法はタンパク質を標的とする低分子プローブや薬剤を見つけ出すための強力なツールだが、これまでは、大量に精製できる少数の限られたタンパク質のスクリーニングにしか使えなかった。今回B Cravattたちは、天然のプロテオームや細胞で直接FBLDを行う新規の手法を開発し、それを用いて、数千種類のタンパク質を対象にシステイン反応性低分子断片によるスクリーニングとその定量的解析を行った。その結果、ドラッガブルなタンパク質と、転写因子、アダプター/足場タンパク質、および特性が明らかでないタンパク質といった化学プローブがないタンパク質の両方に存在する700か所以上のシステイン残基に対して、共有結合性リガンドが突き止められた。
2016年6月23日号の Nature ハイライト
素粒子物理学:ハドロンを作る
神経生理学:機械的疼痛を調節するNav1.1チャネル
遺伝学:自然の遺伝的多様性とプロテオーム
構造生物学:TRPV6 Ca2+チャネルの構造
宇宙物理学:ブラックホール合体の検出に向けたロードマップ
量子物理学:素粒子物理学を模倣する4つのイオン
神経免疫学:ウエストナイルウイルスに関連した認知障害
細胞生物学:栄養飢餓状態でのオートファジーの誘導
発生学:ヒト受精複合体の構造
プロテオミクス:低分子プローブの発見