Nature ハイライト
構造生物学:Ton複合体の構造と機能
Nature 538, 7623
Ton複合体はグラム陰性細菌の内膜にある装置で、外膜にある輸送体と共に働いて、細菌内膜内外に生じたプロトン駆動力を利用してエネルギーを変換し、外膜へ送る。ExbB、ExbDおよびTonBという3つの膜貫通タンパク質成分からなるTon複合体の構造学的特徴が、巧妙な研究によって今回初めて明らかにされた。X線結晶学の手法と電子顕微鏡法、それに電子–電子二重共鳴(DEER)分光法を用いて、S BuchananたちはTon複合体の機能と化学量論的性質に関する新しい機構論的考察を示している。このような知見は、やはりプロトン駆動力を利用して機械的エネルギーを生成する、Tonと相同なTolやMol複合体へも拡張できるだろう。
2016年10月6日号の Nature ハイライト
構造生物学:Ton複合体の構造と機能
構造生物学:ヒトP2X3受容体のゲート開閉サイクル
惑星科学:67P/チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の有機物質
化学:メタン生成の少ない、バイオマスからの低級オレフィン合成
生物地球化学:全球の化石燃料メタンの排出量の修正
人類移動:気候に駆動された人類の移動
神経科学:ニューロン可塑性の機序
幹細胞:がん幹細胞は脂質利用に依存する
がん:p53がん抑制因子でのアセチル化
細胞生物学:ヒトのミトコンドリア複合体Iの組み立て