Nature ハイライト
構造生物学:ヒトP2X3受容体のゲート開閉サイクル
Nature 538, 7623
P2X受容体はATP依存性イオンチャネルであり、免疫系や心血管系、神経系で重要な役割を担っており、薬剤標的候補である。今回E Gouauxたちは完全なヒトP2X3受容体について、さまざまな状態の高分解能構造を報告し、特にサブタイプ選択的アンタゴニストがその特異性を発揮する仕組みを重点的に明らかにしている。今回決定されたのは、アポタンパク質の静止状態、アゴニストが結合して小孔が開いた状態、アゴニストが結合して小孔が閉じた脱感作状態、アンタゴニストが結合して小孔が閉じた状態の構造で、リガンド依存性あるいは電位依存性イオンチャネルのゲート開閉の完全なサイクルが初めて示されている。
2016年10月6日号の Nature ハイライト
構造生物学:Ton複合体の構造と機能
構造生物学:ヒトP2X3受容体のゲート開閉サイクル
惑星科学:67P/チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の有機物質
化学:メタン生成の少ない、バイオマスからの低級オレフィン合成
生物地球化学:全球の化石燃料メタンの排出量の修正
人類移動:気候に駆動された人類の移動
神経科学:ニューロン可塑性の機序
幹細胞:がん幹細胞は脂質利用に依存する
がん:p53がん抑制因子でのアセチル化
細胞生物学:ヒトのミトコンドリア複合体Iの組み立て