Nature ハイライト
化学:メタン生成の少ない、バイオマスからの低級オレフィン合成
Nature 538, 7623
低級オレフィン(主としてエチレン、プロピレン、ブチレン)は、プラスチックなど多くの工業製品の出発物質となる。低級オレフィンは炭化水素原料の分解によって得られるが、埋蔵石油は枯渇するため、バイオマスなどの代替原料に切り替える緊急性が増している。「フィッシャー・トロプシュ法によるオレフィン合成(FTO)」過程によって、合成ガス(バイオマスや石炭、天然ガスに由来する水素と一酸化炭素の混合物)から低級オレフィンが得られるが、同時に不要なメタンも大量に生成される。今回L Zhongたちは、FTO変換用の新しい触媒について報告している。炭化コバルトナノプリズムでできたこの触媒は、温和な条件で活性を示し、高い選択性で低級オレフィンを生成するが、メタンをほとんど生成しない。
2016年10月6日号の Nature ハイライト
構造生物学:Ton複合体の構造と機能
構造生物学:ヒトP2X3受容体のゲート開閉サイクル
惑星科学:67P/チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の有機物質
化学:メタン生成の少ない、バイオマスからの低級オレフィン合成
生物地球化学:全球の化石燃料メタンの排出量の修正
人類移動:気候に駆動された人類の移動
神経科学:ニューロン可塑性の機序
幹細胞:がん幹細胞は脂質利用に依存する
がん:p53がん抑制因子でのアセチル化
細胞生物学:ヒトのミトコンドリア複合体Iの組み立て