Nature ハイライト
人類移動:気候に駆動された人類の移動
Nature 538, 7623
ホモ・サピエンス(Homo sapiens)が、アフリカで進化を遂げた後に、アフリカを出て他の地域へと分散した時期は議論の種となってきた。今回、A TimmermannおよびT Friedrichは、過去12万5000年にわたる気候および海水準の大規模な変化の影響を加味して、初期人類の分散をモデル化した。その結果、アラビア半島およびレバント地方を経由する分散が、1回の事象ではなく、10万6000~2万9000年前に4回の波に分かれて起きていたことが示唆された。今回の結果は考古学的データとも符合しており、軌道変化の時間スケールでの全球的な気候変動が人口の移動に重要な役割を果たしたのに対し、1000年スケールでの急激な気候変動の影響はより局地的なものに限られていたことを示している。
2016年10月6日号の Nature ハイライト
構造生物学:Ton複合体の構造と機能
構造生物学:ヒトP2X3受容体のゲート開閉サイクル
惑星科学:67P/チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の有機物質
化学:メタン生成の少ない、バイオマスからの低級オレフィン合成
生物地球化学:全球の化石燃料メタンの排出量の修正
人類移動:気候に駆動された人類の移動
神経科学:ニューロン可塑性の機序
幹細胞:がん幹細胞は脂質利用に依存する
がん:p53がん抑制因子でのアセチル化
細胞生物学:ヒトのミトコンドリア複合体Iの組み立て