Nature ハイライト
惑星科学:67P/チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の有機物質
Nature 538, 7623
欧州宇宙機構(ESA)の探査機ロゼッタに搭載された二次イオン質量分析計COSIMAによって、67P/チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の近傍で2万7000個を超える粒子が検出されている。そのうちの200個以上の粒子がこれまでに分析されており、こうした粒子のうちKennethとJulietteと名付けられた2つについてさらに行われた化学分析結果が、今回示されている。その結果から、炭素が非常に大きな高分子化合物中に束縛されていて、炭素質コンドライト隕石に見られる不溶性有機物質に類似した、固体有機物質の存在が明らかになった。観測された彗星由来の固体の炭素質物質は、隕石由来の不溶性有機物質と同一起源の可能性があるが、彗星に取り込まれる前と後、あるいは前か後でそれほど変質しなかったと著者たちは結論している。
2016年10月6日号の Nature ハイライト
構造生物学:Ton複合体の構造と機能
構造生物学:ヒトP2X3受容体のゲート開閉サイクル
惑星科学:67P/チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の有機物質
化学:メタン生成の少ない、バイオマスからの低級オレフィン合成
生物地球化学:全球の化石燃料メタンの排出量の修正
人類移動:気候に駆動された人類の移動
神経科学:ニューロン可塑性の機序
幹細胞:がん幹細胞は脂質利用に依存する
がん:p53がん抑制因子でのアセチル化
細胞生物学:ヒトのミトコンドリア複合体Iの組み立て