Nature ハイライト

Cover Story:指趾の編成:5本指の四肢動物の多指祖先からの進化にはHox遺伝子の調節が重要な役割を果たしている

Nature 539, 7627

表紙は、Rosa26Hoxa11/Hoxa11; prx1Cre変異マウスの手の骨格画像を加工したものである。この変異はHoxa11遺伝子の遠位肢芽での発現を引き起こし、これは鰭芽での発現に似ていて過剰な指趾の形成を引き起こす。現生四肢類、つまり肢が4本の陸上脊椎動物のほとんどは、肢1本につき指趾が5本ある。この数が変異によって変動する場合には例外なく、典型的な5本からの減少が起こる。しかし、「五指性」と呼ばれるこの状態は初めから四肢類の典型だったわけではなく、初期の四肢類には、肢1本当たり指趾が6本、7本、あるいは8本あるものすら存在した。このような「多指性」は、現在では希少な変異でしか見られない。五指性はどのようにして定着したのだろうか。M Kmitaたちは今回、5本の指趾を持つ肢の形成にはHoxa11Hoxa13の相互排他的な発現が必要であること、Hoxa11遺伝子のイントロンでは転写エンハンサーが進化していて、その機能が五指性状態の維持に必要であることを明らかにした。研究チームは、絶滅したステム群四肢類での多指性から現生四肢類の五指性への移行にはHoxa11調節の進化が寄与していたのではないかと考えている。

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