Nature ハイライト
細胞生物学:がん細胞におけるテロメアの維持
Nature 539, 7627
がん細胞の増殖力と持続性を支える特徴の1つは、継続的に分裂を繰り返してもテロメア長を維持できる能力である。テロメラーゼを使わないでテロメアを伸長する機構が、がんの10%程度で見つかっていて、これはテロメアの代替伸長(alternative lengthening of telomeres;ALT)と名付けられている。今回R Greenbergたちは、ALT陽性がん細胞では特殊なレプリソームが形成され、このレプリソームは、テロメアで二本鎖切断部位を起点としてDNAの長い塩基配列を合成できることを示している。これは、多くのカノニカルな、複製に関与する修復因子や相同組換えに関与する修復因子とは関係のない過程である。
2016年11月3日号の Nature ハイライト
構造生物学:蚊に効果がある殺幼虫物質BinABの構造
細胞生物学:ClpC–ClpPタンパク質分解複合体の分解シグナル
細胞生物学:がん細胞におけるテロメアの維持
生物工学:REXERを使ったコドンの置換
素粒子物理学:暗黒物質を見通す窓としてアクシオンを評価する
物性物理学:極低温のルビジウム87をかき混ぜるのではなく揺さぶる
地球力学:下部マントル条件でのブリッジマナイトのふるまい
考古学:サルが作った剥片石器
免疫抑制:骨髄前駆細胞の解析
がん:腎臓がんでのHIF-2阻害剤の働き