Nature ハイライト
		
		
        
		
		構造生物学:蚊に効果がある殺幼虫物質BinABの構造
Nature 539, 7627
蚊は、マラリアやデング熱、ウエストナイル脳炎、ジカウイルスなどの多数の感染症を媒介するため、人間の健康にとって最も有害な昆虫となっている。桿菌の一種であるLysinibacillus sphaericusの二成分毒素のBinABは、蚊によって伝播されるこのような病気と闘うために世界中で使われており、それはこれらのタンパク質がその標的には毒性があるが、ヒトなどの他の動物には無害だからである。今回、BinABの結晶構造が、X線自由電子レーザーを使った連続フェムト秒結晶構造解析の手法を使って解かれた。その構造から、幼虫の中腸での結晶の溶解を促進する4つのpH感受性スイッチと、ヘテロ二量体を細胞表面へと導くのを助けると考えられるBinA中の3つの糖結合モジュールが明らかになった。
2016年11月3日号の Nature ハイライト
- 構造生物学:蚊に効果がある殺幼虫物質BinABの構造
- 細胞生物学:ClpC–ClpPタンパク質分解複合体の分解シグナル
- 細胞生物学:がん細胞におけるテロメアの維持
- 生物工学:REXERを使ったコドンの置換
- 素粒子物理学:暗黒物質を見通す窓としてアクシオンを評価する
- 物性物理学:極低温のルビジウム87をかき混ぜるのではなく揺さぶる
- 地球力学:下部マントル条件でのブリッジマナイトのふるまい
- 考古学:サルが作った剥片石器
- 免疫抑制:骨髄前駆細胞の解析
- がん:腎臓がんでのHIF-2阻害剤の働き


