Nature ハイライト
素粒子物理学:暗黒物質を見通す窓としてアクシオンを評価する
Nature 539, 7627
量子色力学は、強い相互作用がどのようにクォークを結び付けているかを記述する理論だが、これを考慮する必要がある計算は、強い力が非線形性であるため困難である。今回S Borsanyiたちは、数値的な難しさにもかかわらず、アクシオンの質量の正確な計算をやってのけた。アクシオンは多くの暗黒物質理論の中核となっている。この論文の鍵となったのは、状態方程式と量子色力学のいわゆるトポロジカル感受率を非常に幅広い温度範囲にわたって計算できたことである。アクシオンの質量の決定によって、著者たちは、アクシオンが関与する暗黒物質理論を近い将来に検証するのに役立つと思われる、宇宙の進化に関する重要な予測を行った。
2016年11月3日号の Nature ハイライト
構造生物学:蚊に効果がある殺幼虫物質BinABの構造
細胞生物学:ClpC–ClpPタンパク質分解複合体の分解シグナル
細胞生物学:がん細胞におけるテロメアの維持
生物工学:REXERを使ったコドンの置換
素粒子物理学:暗黒物質を見通す窓としてアクシオンを評価する
物性物理学:極低温のルビジウム87をかき混ぜるのではなく揺さぶる
地球力学:下部マントル条件でのブリッジマナイトのふるまい
考古学:サルが作った剥片石器
免疫抑制:骨髄前駆細胞の解析
がん:腎臓がんでのHIF-2阻害剤の働き