Nature ハイライト
Cover Story:接続を作る:マウス新皮質の減ったニューロンを移植ニューロンで補充
Nature 539, 7628
表紙は、ニューロンが相互に結合している状況と、その中の損傷を受けたニューロンを描いたイラスト。哺乳類成体では脳新皮質のニューロン再生能力は極めて限られている。そのため、脳損傷後の修復を促進するために取り得る戦略の1つに、移植胎仔ニューロンの使用がある。しかし、移植されたニューロンが、成体環境中でどの程度まで発達し、すでに完成した脳回路中に組み込まれるのかは分かっていない。今回、2光子顕微鏡法と単シナプス追跡法を用いて、成体マウスの視覚皮質に移植された胎仔ニューロンが、そこで成熟し、4~8週以内に成体ニューロン様の性質を獲得して、適切な入力を受けて刺激選択的な感覚応答を行うことが示された。
2016年11月10日号の Nature ハイライト
進化生物学:古い生物の新しい歯
進化遺伝学:Osteocrinは霊長類の脳の発生で働く因子である
社会行動学:個体群密度に応じた線虫の行動
光物理学:単一分子運動の映画
化学:活性化されていない脂肪族C–H結合の官能基化
環境科学:オーストラリア内陸の乾燥地帯に最初に踏み入った人類の痕跡
神経障害:脊髄損傷後の霊長類での歩行運動の回復
幹細胞:in vitroで再構築されたマウスの雌性生殖系列
がん幹細胞:白血病では変異が生じた微小環境が存在する
がん幹細胞:乏突起膠腫に見られるがん幹細胞