Nature ハイライト
化学:活性化されていない脂肪族C–H結合の官能基化
Nature 539, 7628
今週号の2本の論文で、R Knowlesたちのグループと、J ChuとT Rovisは、それぞれ光触媒プロトン共役電子移動による特定アミジルN–H結合の選択的ホモリシスについて報告している。反応で得られたラジカルによって、N-アルキルアミドの脂肪族鎖の活性化されていない5位の位置でC–H引き抜きとラジカルアルキル化が可能になる。今回の方法はアミジルN–H結合の事前活性化やハロアミドの使用に頼らないので、ラジカルアミジルを得るこれまでの手法よりも単純な解決策が得られる可能性がある。さらに、続いて1,5-水素原子移動が起こることによって、アルキルアミドの存在下で選択的にC–C結合を形成する手段が得られる。
2016年11月10日号の Nature ハイライト
進化生物学:古い生物の新しい歯
進化遺伝学:Osteocrinは霊長類の脳の発生で働く因子である
社会行動学:個体群密度に応じた線虫の行動
光物理学:単一分子運動の映画
化学:活性化されていない脂肪族C–H結合の官能基化
環境科学:オーストラリア内陸の乾燥地帯に最初に踏み入った人類の痕跡
神経障害:脊髄損傷後の霊長類での歩行運動の回復
幹細胞:in vitroで再構築されたマウスの雌性生殖系列
がん幹細胞:白血病では変異が生じた微小環境が存在する
がん幹細胞:乏突起膠腫に見られるがん幹細胞