Nature ハイライト
幹細胞:in vitroで再構築されたマウスの雌性生殖系列
Nature 539, 7628
機能するマウスの卵を全て培養系で作り出すことは、幹細胞生物学や再生医学の分野における長年の目標であり、今回の研究はその成功について報告している。林克彦(九州大学)たちは、マウスの多能性幹細胞から機能する卵母細胞をin vitroで作り出した。この卵母細胞は、受精させて、完全な生存能力を持つ子孫を生み出すことができる。彼らのプロトコルは、減数分裂と卵母細胞の成長の両方を再現するものであり、in vitroで作られた卵から受精後に多能性幹細胞株を単離することもできたことから、哺乳類の完全な雌性生殖系列サイクルが培養皿の中で再現されたことになる。
2016年11月10日号の Nature ハイライト
進化生物学:古い生物の新しい歯
進化遺伝学:Osteocrinは霊長類の脳の発生で働く因子である
社会行動学:個体群密度に応じた線虫の行動
光物理学:単一分子運動の映画
化学:活性化されていない脂肪族C–H結合の官能基化
環境科学:オーストラリア内陸の乾燥地帯に最初に踏み入った人類の痕跡
神経障害:脊髄損傷後の霊長類での歩行運動の回復
幹細胞:in vitroで再構築されたマウスの雌性生殖系列
がん幹細胞:白血病では変異が生じた微小環境が存在する
がん幹細胞:乏突起膠腫に見られるがん幹細胞