Nature ハイライト
がん幹細胞:白血病では変異が生じた微小環境が存在する
Nature 539, 7628
Rasシグナル伝達経路の一部であるチロシンホスファターゼSHP2(PTPN11にコードされる)の遺伝性変異は、白血病の発症リスクの上昇が見られる症候群と関連があると考えられている。マウスモデルにおけるこれまでの研究で、PTPN11の変異を持つ造血幹細胞の機能には異常が示されており、細胞自律的な影響が考えられていた。今回C Quたちは、PTPN11の変異が骨髄環境の細胞にも影響を及ぼし、それによって造血幹細胞の正常な制御が阻害され、白血病の発症が促進されることを見いだした。CCL3受容体アンタゴニストの投与により、Ptpn11変異を持つ骨髄微小環境によって引き起こされる発がんが効果的に抑制された。
2016年11月10日号の Nature ハイライト
進化生物学:古い生物の新しい歯
進化遺伝学:Osteocrinは霊長類の脳の発生で働く因子である
社会行動学:個体群密度に応じた線虫の行動
光物理学:単一分子運動の映画
化学:活性化されていない脂肪族C–H結合の官能基化
環境科学:オーストラリア内陸の乾燥地帯に最初に踏み入った人類の痕跡
神経障害:脊髄損傷後の霊長類での歩行運動の回復
幹細胞:in vitroで再構築されたマウスの雌性生殖系列
がん幹細胞:白血病では変異が生じた微小環境が存在する
がん幹細胞:乏突起膠腫に見られるがん幹細胞