地球化学：沈み込み帯の流体のpHと岩石の化学的性質

今回M Galvezたちは、沈み込み帯の熱的構造モデルと鉱物学モデル、流体の化学種分化モデルとを結び付ける、流体と岩石の平衡状態の熱力学的予測について報告している。沈み込んだ地殻岩石中の流体のpHは一様で、岩石の揮発性物質と塩素の含有量によって調節され、弱アルカリ性の範囲に限定されているが、マントルウェッジ流体のpHは岩石の化学的性質の小さな変動に非常に敏感であることが見いだされた。炭素、アルカリ金属、ハロゲンに対して流体の化学的性質が敏感であることは、地球の大気–海洋系の化学的性質と、熱水によって変質した海洋リソスフェアの成分を介した沈み込み帯の流体の化学種分化の間のフィードバックを示していると、著者たちは結論している。

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