Nature ハイライト

分子生物学:Hsp70の作用の新規な機構

Nature 539, 7629

Hsp70を中心とするタンパク質–シャペロン系は、折りたたみの補助、凝集の防止、トラフィッキング、酵素活性の調節など、さまざまな細胞制御機能を実行しているが、この多様な機能を構造データと一致させることは難しく、Hsp70は伸びたポリペプチド部分とだけ結合すると考えられてきた。今回S Tansたちはレーザー分子ピンセットを用いて、DnaKとして知られるHsp70細菌ホモログは折りたたまれた構造にも結合でき、折りたたまれていない状態のタンパク質に結合する際にはその「溝」が使われるが、折りたたまれた構造に結合する際にはは溝の「蓋」を利用していることを明らかにした。このような大きく異なる作業を調節できるのは、コシャペロンによるATPの加水分解の制御を伴うためである。Hsp70は、ATPが駆動するクランプ様のコンホメーション変化を介することで、タンパク質の膨大なレパートリーを対象として安定化でき、これは構造の正確な適合を介する既知の安定化機構とは対照的である。

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