Nature ハイライト
酵素生物学:ニコチンアミド依存性酵素の新たな活性
Nature 540, 7633
酵素触媒反応は、複雑な環境中で特定の化学反応に対して高い選択性と効率を示すが、自然界に見られる反応に限定される。T Hysterたちは今回、補因子の光励起状態を用いることによって酵素の触媒挙動を変化させる新しい方法を報告している。可視光照射によって、ニコチンアミド依存性ケトレダクターゼは、ヒドリド源からラジカル開始剤とキラルな水素原子源に変換される。著者たちは、ケトレダクターゼの新しい反応性を利用して、可視光照射によるラクトンのエナンチオ選択的脱ハロゲン化を行った。これは、従来の小分子触媒では実現が難しい変換反応である。
2016年12月15日号の Nature ハイライト
構造生物学:タンパク質の動きと生物学的機能を結び付ける
酵素生物学:ニコチンアミド依存性酵素の新たな活性
水文学:地球の地表水の変化を示す地図
神経発生疾患:自閉症トランスクリプトームの大規模解析
幹細胞:Hox遺伝子と筋幹細胞の衰え
がん:急性白血病におけるLSC17スコアの評価
ウイルス学:ジカウイルスはマウスの精巣に損傷を与える
ウイルス学:抗ジカウイルス抗体はウイルス複製を阻害する
免疫学:C型レクチン受容体を介した抗HIV活性
生物エネルギー学:光化学系IIの室温での構造
創薬:ケモカイン受容体の小分子アンタゴニスト