Nature ハイライト

酵素生物学:ニコチンアミド依存性酵素の新たな活性

Nature 540, 7633

酵素触媒反応は、複雑な環境中で特定の化学反応に対して高い選択性と効率を示すが、自然界に見られる反応に限定される。T Hysterたちは今回、補因子の光励起状態を用いることによって酵素の触媒挙動を変化させる新しい方法を報告している。可視光照射によって、ニコチンアミド依存性ケトレダクターゼは、ヒドリド源からラジカル開始剤とキラルな水素原子源に変換される。著者たちは、ケトレダクターゼの新しい反応性を利用して、可視光照射によるラクトンのエナンチオ選択的脱ハロゲン化を行った。これは、従来の小分子触媒では実現が難しい変換反応である。

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