Nature ハイライト
生物エネルギー学:光化学系IIの室温での構造
Nature 540, 7633
植物で起こる光エネルギーの化学エネルギーへの変換の際に、光化学系IIは酸素発生複合体(OEC)に含まれるMn4CaO5クラスター中で水を酸化する。この過程にはまだ構造がはっきりしていない5つの中間状態が含まれる。矢野淳子(ローレンス・バークレー米国立研究所)たちは今回、フェムト秒X線自由電子レーザー(XFEL)を使って、これらの状態のうちの3つを室温で捉えることに成功した。今回の構造は、水の類似体とされるアンモニアの存在下で解かれたので、アンモニアが結合するMn部位は基質の水が結合する部位とは異なることが明らかになった。
2016年12月15日号の Nature ハイライト
構造生物学:タンパク質の動きと生物学的機能を結び付ける
酵素生物学:ニコチンアミド依存性酵素の新たな活性
水文学:地球の地表水の変化を示す地図
神経発生疾患:自閉症トランスクリプトームの大規模解析
幹細胞:Hox遺伝子と筋幹細胞の衰え
がん:急性白血病におけるLSC17スコアの評価
ウイルス学:ジカウイルスはマウスの精巣に損傷を与える
ウイルス学:抗ジカウイルス抗体はウイルス複製を阻害する
免疫学:C型レクチン受容体を介した抗HIV活性
生物エネルギー学:光化学系IIの室温での構造
創薬:ケモカイン受容体の小分子アンタゴニスト