Nature ハイライト
免疫学:C型レクチン受容体を介した抗HIV活性
Nature 540, 7633
T Geijtenbeekたちは今回、粘膜障壁に存在する樹状細胞の一種であるランゲルハンス細胞において、HIV-1感染を制限するヒトE3ユビキチンリガーゼであるTRIM5α(tri-partite-containing motif 5α)の役割を報告している。彼らは、C型レクチン受容体ランゲリンによるHIV-1の捕捉が、TRIM5αとランゲリンに依存的なオートファジー経路にウイルスを送り込む働きをすることを示している。TRIM5αを介した制限の機構は、アカゲザルのTRIM5αがHIV-1を制限すると考えられているプロテアソーム依存的な機構とは異なり、粘膜障壁で作用するランゲルハンス細胞特異的な制限機構であるようだ。ランゲルハンス細胞は性的接触によるHIV-1感染に対する防御に重要であり、この研究はHIV-1に対する細胞を介した抵抗性を促進するためのC型レクチン受容体とオートファジーを標的とした治療的介入の可能性を強調している。
2016年12月15日号の Nature ハイライト
構造生物学:タンパク質の動きと生物学的機能を結び付ける
酵素生物学:ニコチンアミド依存性酵素の新たな活性
水文学:地球の地表水の変化を示す地図
神経発生疾患:自閉症トランスクリプトームの大規模解析
幹細胞:Hox遺伝子と筋幹細胞の衰え
がん:急性白血病におけるLSC17スコアの評価
ウイルス学:ジカウイルスはマウスの精巣に損傷を与える
ウイルス学:抗ジカウイルス抗体はウイルス複製を阻害する
免疫学:C型レクチン受容体を介した抗HIV活性
生物エネルギー学:光化学系IIの室温での構造
創薬:ケモカイン受容体の小分子アンタゴニスト