Nature ハイライト
構造生物学:明らかになったメディエーターの柔軟性
Nature 544, 7649
メディエーター複合体は、真核生物でRNAポリメラーゼIIが行う転写の調節に不可欠な役割を果たしている。今回、F Asturiasたちは低温電子顕微鏡法を用いて分裂酵母(Schizosaccharomyces pombe)の完全なメディエーター複合体のニア原子分解能での構造を報告している。また、メディエーター–RNAポリメラーゼIIホロ酵素の構造も決定された。このメディエーターのMed14サブユニットは、頭部、中間部と尾部のモジュールをつなぐ骨格として働いていて、その柔軟性により、メディエーター複合体がRNAポリメラーゼIIと結合した際に起こる大規模な配置転換が可能となっている。
2017年4月13日号の Nature ハイライト
進化学:アボリジニの最初の移動経路
生理学:脂質による寿命延長
構造生物学:明らかになったメディエーターの柔軟性
天文学:ガスのアウトフローの中で誕生する星
生物物理学:単層上皮のトポロジカル欠陥の機能的役割
環境科学:地球規模の持続可能性の目標を達成する
海洋保全:魚の分け合いに損はなし
保全ゲノミクス:オニヒトデのゲノム解読
遺伝学:ヒトの遺伝子ノックアウト研究
神経科学:Myt1lは非ニューロン性運命を抑制する