Nature ハイライト
遺伝学:ヒトの遺伝子ノックアウト研究
Nature 544, 7649
あらゆるヒト遺伝子の機能を理解することは生物医学の重要な目標の1つであり、特定の1遺伝子の機能喪失変異を持つ人の表現型を解析することは、遺伝子の機能についての手掛かりを得る方法の1つである。S Kathiresanたちは今回、塩基配列解読データから機能喪失と予測される変異を体系的に調べ、その表現型との関連から遺伝子機能との関係を調べる予備的な取り組みを行っている。著者たちは、パキスタン在住のPROMIS研究参加者1万503人のエキソームの塩基配列解読を行った。彼らは機能喪失と予測される4万9138個の希少な変異を明らかにし、これらを血液試料で測定される201形質からなるパネルとの関連を調べた。これらの変異は1317の遺伝子をノックアウトしており、各遺伝子は少なくとも1人の参加者でノックアウトされていると推定された。著者たちは、遺伝型別に参加者を募集することなど、逆遺伝学的手法の有用性を示し、またヒトノックアウトプロジェクトのための枠組みについて議論している。
2017年4月13日号の Nature ハイライト
進化学:アボリジニの最初の移動経路
生理学:脂質による寿命延長
構造生物学:明らかになったメディエーターの柔軟性
天文学:ガスのアウトフローの中で誕生する星
生物物理学:単層上皮のトポロジカル欠陥の機能的役割
環境科学:地球規模の持続可能性の目標を達成する
海洋保全:魚の分け合いに損はなし
保全ゲノミクス:オニヒトデのゲノム解読
遺伝学:ヒトの遺伝子ノックアウト研究
神経科学:Myt1lは非ニューロン性運命を抑制する