Nature ハイライト
海洋保全:魚の分け合いに損はなし
Nature 544, 7649
漁業では、漁獲競争によって漁期が短縮されたり、水産資源が脅かされたり、生態系の破壊や経済的損失、安全上のリスクにつながったりしている。漁獲可能量の一部を漁業者や漁船、組合に割り当てる「キャッチ・シェア」という政策は漁獲競争を緩和すると考えられているが、これを裏付ける証拠はいまだ個別の漁業でしか得られていない。今回M Smithたちは、米国の39の漁業についてメタ解析を行い、この政策が実際に漁獲競争に対して有益な効果をもたらすことを明らかにしている。今回の知見は、キャッチ・シェアなどの市場に基づく規制措置を他の漁業へも拡張すべきかどうかという現在の議論に対して、有益な情報をもたらす可能性がある。
2017年4月13日号の Nature ハイライト
進化学:アボリジニの最初の移動経路
生理学:脂質による寿命延長
構造生物学:明らかになったメディエーターの柔軟性
天文学:ガスのアウトフローの中で誕生する星
生物物理学:単層上皮のトポロジカル欠陥の機能的役割
環境科学:地球規模の持続可能性の目標を達成する
海洋保全:魚の分け合いに損はなし
保全ゲノミクス:オニヒトデのゲノム解読
遺伝学:ヒトの遺伝子ノックアウト研究
神経科学:Myt1lは非ニューロン性運命を抑制する