Nature ハイライト
保全ゲノミクス:オニヒトデのゲノム解読
Nature 544, 7649
オニヒトデ(Acanthaster planci)はインド太平洋全域に分布する造礁サンゴの捕食動物であり、その大発生はサンゴ被度の低下や生物多様性の喪失を引き起こす。今回B Degnanたちは、オーストラリアのグレートバリアリーフおよび沖縄で得たオニヒトデ2個体のゲノム塩基配列を解読したことを報告している。彼らはまた、体の外側にあるいくつかの組織および器官についてトランスクリプトーム解析を行い、オニヒトデの集団や警戒している個体が水中に放出する分泌タンパク質についても調べた。今回得られたオニヒトデのゲノムに関する知見は、サンゴ礁を脅かす捕食性ヒトデの大発生に狙いを定めた対処法の開発に役立つ可能性がある。
2017年4月13日号の Nature ハイライト
進化学:アボリジニの最初の移動経路
生理学:脂質による寿命延長
構造生物学:明らかになったメディエーターの柔軟性
天文学:ガスのアウトフローの中で誕生する星
生物物理学:単層上皮のトポロジカル欠陥の機能的役割
環境科学:地球規模の持続可能性の目標を達成する
海洋保全:魚の分け合いに損はなし
保全ゲノミクス:オニヒトデのゲノム解読
遺伝学:ヒトの遺伝子ノックアウト研究
神経科学:Myt1lは非ニューロン性運命を抑制する