Nature ハイライト
考古学:オーストラリアへの到達年代がさらに早まった
Nature 547, 7663
人類がオーストラリアに居住し始めたのはいつだったのか。今ではラガービールと「ワルチング・マチルダ」が連想されるオーストラリア大陸だが、この地に初めて人類が到達した年代に関しては、激しい論争が続いている。オーストラリア北部のMadjedbebeと呼ばれる遺跡で得られた複数の年代からは、現生人類が約6万~5万年前にオーストラリアに存在していたことが示されたが、以降これらの結果については強く異論が唱えられてきた。今回、この遺跡の新たな発掘調査で総合的なプログラムによる年代測定が行われた結果、人類がオーストラリアに到達したのは約6万5000年前であったことが確認された。この結果は、オーストラリアの大型動物相の絶滅や、近隣のインドネシアでのフローレス原人(Homo floresiensis)の消滅のはるか以前に、人類がオーストラリアに到達していたことを示している。
2017年7月20日号の Nature ハイライト
生物物理学:リボソームが自己を組み立てる仕組み
考古学:オーストラリアへの到達年代がさらに早まった
がん:髄芽腫ゲノムの全体像
免疫学:ドーパミンが免疫応答を促進する
物性物理学:ワイル半金属のカイラル異常に加わった新しい要素
画像化技術:磁化の新しい観察方法
疫学:肥満症と活動的不平等との関係
神経科学:乳児が見る社会的光景
がん:脳腫瘍での転写因子のin vivoスクリーニング
構造生物学:カリウムチャネルのゲートを守る結合ポケット