Nature ハイライト
疫学:肥満症と活動的不平等との関係
Nature 547, 7663
世界では、毎年数百万人が身体不活動に関連して死亡しているが、異なる集団における活動パターンに関する我々の理解は、大規模な計測が行われていないため不十分である。J Leskovecたちは今回、46か国の60万人を超える人々からスマートフォンのセンサーを利用して集めた、活動パターンのデータを分析している。その結果、各集団の活動レベルには大きな分布のばらつきがあり、こうした活動の不平等性は主として女性の活動レベルによっていることが明らかになった。集団における活動の最小グループと最大グループとの間の不平等性は、それらの集団の肥満症罹患率を、平均活動レベルよりも的確に予測していた。また、歩きやすい都市ほど不平等性は小さく、活動の最大の増加が認められたのは女性であった。以上の知見は、都市計画および公衆衛生政策では、集団の中で最も不活動なグループでの活動の増加に焦点を合わせることが有益となる可能性を示唆している。
2017年7月20日号の Nature ハイライト
生物物理学:リボソームが自己を組み立てる仕組み
考古学:オーストラリアへの到達年代がさらに早まった
がん:髄芽腫ゲノムの全体像
免疫学:ドーパミンが免疫応答を促進する
物性物理学:ワイル半金属のカイラル異常に加わった新しい要素
画像化技術:磁化の新しい観察方法
疫学:肥満症と活動的不平等との関係
神経科学:乳児が見る社会的光景
がん:脳腫瘍での転写因子のin vivoスクリーニング
構造生物学:カリウムチャネルのゲートを守る結合ポケット