Nature ハイライト
構造生物学:カリウムチャネルのゲートを守る結合ポケット
Nature 547, 7663
2ポアドメインカリウムチャネル(K2P)は、電位依存性イオンチャネルスーパーファミリーに属する二量体チャネルで、熱や機械刺激、小分子に反応する。このチャネルは、痛覚や温度感覚、また気分調節に生理的重要性を持つにもかかわらず、その薬理学的性質(小分子が活性を調節する仕組み)はよく分かっていない。今回、活性化したK2Pチャネルの結晶構造が報告され、チャネルの選択性フィルターの裏側に隠れている結合ポケットが明らかになった。小分子活性化剤は、このポケットに結合し、選択性フィルターやその周囲の構造の動きを制限する。これにより、「リーク(漏洩)モード」のコンホメーションが安定化され、チャネルが活性化されてリーク電流が流れるようになる。
2017年7月20日号の Nature ハイライト
生物物理学:リボソームが自己を組み立てる仕組み
考古学:オーストラリアへの到達年代がさらに早まった
がん:髄芽腫ゲノムの全体像
免疫学:ドーパミンが免疫応答を促進する
物性物理学:ワイル半金属のカイラル異常に加わった新しい要素
画像化技術:磁化の新しい観察方法
疫学:肥満症と活動的不平等との関係
神経科学:乳児が見る社会的光景
がん:脳腫瘍での転写因子のin vivoスクリーニング
構造生物学:カリウムチャネルのゲートを守る結合ポケット