Nature ハイライト
物性物理学:ワイル半金属のカイラル異常に加わった新しい要素
Nature 547, 7663
我々の宇宙の基本的な法則は、エネルギー、電荷、運動量が保存されることである。しかし、これらの法則は、量子力学のレベルでは破られる可能性がある。このようなエキゾチックな物理学は、ワイル半金属と呼ばれる新しい種類の物質が発見される最近まで、もっぱら場の量子論の領域で探究されてきた。こうした系にはワイルフェルミオンと呼ばれる基本的な粒子が含まれており、この粒子はいわゆるカイラル異常を表すことが示されている。カイラル異常とは、特定の環境下でスピンが保存されないということである。J Goothたちは今回、場の量子論とのもう1つの興味深い関連性を提示している。彼らは、曲がった時空の類似効果が凝縮物質系で見つかったことで、ワイル半金属でのカイラル異常に重力の要素が加わることを示した。今回の成果は、これまでに検出されていない量子場効果を実験的にさらに探究する扉を開くものである。
2017年7月20日号の Nature ハイライト
生物物理学:リボソームが自己を組み立てる仕組み
考古学:オーストラリアへの到達年代がさらに早まった
がん:髄芽腫ゲノムの全体像
免疫学:ドーパミンが免疫応答を促進する
物性物理学:ワイル半金属のカイラル異常に加わった新しい要素
画像化技術:磁化の新しい観察方法
疫学:肥満症と活動的不平等との関係
神経科学:乳児が見る社会的光景
がん:脳腫瘍での転写因子のin vivoスクリーニング
構造生物学:カリウムチャネルのゲートを守る結合ポケット