Nature ハイライト
天文学:成層圏を持つ系外惑星
Nature 548, 7665
地球の大気は複数の層で構成されており、気温によってある程度定義されている。対流圏は地球表面のすぐ上にあり、高度とともに気温が低下するが、その上の層である成層圏は、高度とともに気温が上昇する。系外惑星にも成層圏が存在する可能性があるが、実際に存在するかは未解決の問題であった。これを調べる方法の1つは、惑星の熱スペクトルに分子種の放射が見られるかどうか観測することであり、この放射があれば、上層の気温が下層より高いことが示される。T Evansたちは今回、巨大な系外ガス惑星WASP-121bを観測して、水の輝線を見つけたことを報告しており、その結果から、この惑星に成層圏があると結論している。
2017年8月3日号の Nature ハイライト
幹細胞:視床下部は老化速度を制御する
天文学:成層圏を持つ系外惑星
素粒子物理学:反水素のスペクトルを評価する
化学的生命の誕生:柘榴石に見いだされた初期の有機生命体の証拠
感染症:雨林の野生生物への炭疽の脅威
ゲノミクス:デンマークのゲノム塩基配列解読プロジェクト
神経科学:皮質におけるタイムリーな符号化
神経科学:齧歯類における網膜再生
微生物学:ウシからHIV中和抗体を搾る
代謝:AMPK活性化の新しい機構