Nature ハイライト
感染症:雨林の野生生物への炭疽の脅威
Nature 548, 7665
炭疽は、野生生物、家畜およびヒトに共通した疾患であり、主に低所得国および中所得国で見られる。これまでの炭疽研究の多くは、大発生が頻繁に報告されている乾燥した生態系で行われてきた。今回F Leendertzたちは、コートジボワール・タイ国立公園の雨林における炭疽の病原菌の動態を、30年にわたって収集した哺乳類およびハエの試料を用いて分析している。その結果、炭疽は、チンパンジー、サル、ダイカー、マングースおよびヤマアラシなど、さまざまな哺乳類種の重大な死因であることが分かった。個体群統計学的モデリングからは、炭疽がチンパンジーの局所個体群の減少を加速させ、地域的な絶滅をもたらす可能性があることが示唆された。
2017年8月3日号の Nature ハイライト
幹細胞:視床下部は老化速度を制御する
天文学:成層圏を持つ系外惑星
素粒子物理学:反水素のスペクトルを評価する
化学的生命の誕生:柘榴石に見いだされた初期の有機生命体の証拠
感染症:雨林の野生生物への炭疽の脅威
ゲノミクス:デンマークのゲノム塩基配列解読プロジェクト
神経科学:皮質におけるタイムリーな符号化
神経科学:齧歯類における網膜再生
微生物学:ウシからHIV中和抗体を搾る
代謝:AMPK活性化の新しい機構