Nature ハイライト
素粒子物理学:反水素のスペクトルを評価する
Nature 548, 7665
水素の精密測定結果と反水素の同等な測定結果を比較することは、物理学の基礎であるCPT(荷電共役変換、空間反転、時間反転)対称性を検証する手段となる。しかし、反水素は壊れやすいため、分光測定を行うのに十分な量を生成することは非常に困難である。今回、新しい反水素蓄積方法を用いて、反水素の超微細スペクトルの測定が可能になった。その結果は、水素と反水素には差がないことを示している。水素のスペクトルは高い精度まで非常によく分かっているので、実験が改良されると、CPT定理を極めて精密に検証できる可能性がある。
2017年8月3日号の Nature ハイライト
幹細胞:視床下部は老化速度を制御する
天文学:成層圏を持つ系外惑星
素粒子物理学:反水素のスペクトルを評価する
化学的生命の誕生:柘榴石に見いだされた初期の有機生命体の証拠
感染症:雨林の野生生物への炭疽の脅威
ゲノミクス:デンマークのゲノム塩基配列解読プロジェクト
神経科学:皮質におけるタイムリーな符号化
神経科学:齧歯類における網膜再生
微生物学:ウシからHIV中和抗体を搾る
代謝:AMPK活性化の新しい機構