Nature ハイライト

天文学:重力波を使ってブラックホールのスピンの向きを見分ける

Nature 548, 7668

連星ブラックホールの合体によって生じる重力波のチャープ信号から最も精度よく測定されるパラメーターの1つは、連星の有効スピン、つまり個々のブラックホールのスピンの組み合わせである。ブラックホールが元の連星系に由来するならば、スピンの向きはそろっていると予想される。一方、連星ブラックホール系が力学的相互作用によって形成されたのならば、スピンの向きはそろっていないだろう。今回W Farrたちは、これまでに報告された4例のブラックホール合体事象のスピンパラメーターを調べ、スピンの向きがそろっていないことを2.4σの有意水準で見いだした。スピンの向きがそろっていないのが大半であるとするなら、この有意水準を5σに高めるには、さらに10例の合体事象が加わるだけでよい。

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