Nature ハイライト
天文学:重力波を使ってブラックホールのスピンの向きを見分ける
Nature 548, 7668
連星ブラックホールの合体によって生じる重力波のチャープ信号から最も精度よく測定されるパラメーターの1つは、連星の有効スピン、つまり個々のブラックホールのスピンの組み合わせである。ブラックホールが元の連星系に由来するならば、スピンの向きはそろっていると予想される。一方、連星ブラックホール系が力学的相互作用によって形成されたのならば、スピンの向きはそろっていないだろう。今回W Farrたちは、これまでに報告された4例のブラックホール合体事象のスピンパラメーターを調べ、スピンの向きがそろっていないことを2.4σの有意水準で見いだした。スピンの向きがそろっていないのが大半であるとするなら、この有意水準を5σに高めるには、さらに10例の合体事象が加わるだけでよい。
2017年8月24日号の Nature ハイライト
微生物学:新生児の敗血症を減らす
発生学:CRISPRにより修正された変異
天文学:重力波を使ってブラックホールのスピンの向きを見分ける
化学:分子メモリーが動作する温度の上昇に高まる期待
大気科学:過去のメタン放出量を再評価する
遺伝学:ハエの翅の進化を予測する
幹細胞:胃組織の維持
幹細胞:血液幹細胞のバーコードによる追跡
細胞生物学:放射線と遺伝毒性物質によるがん複合治療における細胞周期の影響
がん:CDK4/6阻害剤の抗腫瘍効果