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大気科学:過去のメタン放出量を再評価する

Nature 548, 7668

海底の湧出域や火山域などの地質学的な自然放出源は、全球のメタン放出量に年間当たり約5200万トン寄与していると見積もられているが、正確な量はまだよく分かっていない。今回、南極の太古の氷から得られたデータから、地質学的なメタンの自然放出量は、約1万1600年前のヤンガードライアス期からプレボレアル期の温暖化事象にわたって、平均で年間1540万トンより少ないことが示唆されている。過去の地質学的なメタン放出量が現在より少なくないと仮定すると、現在の地質学的なメタン放出量は過剰に見積もられており、結果として、化石燃料に関連した人為的なメタン放出量が少なく見積もられている可能性があることを、この知見は示している。今回の研究は、過去の温暖化事象における大気中のメタンの急速な増加が、海洋のガスハイドレートや永久凍土域などの古い炭素リザーバーではなく、おそらく湿地からメタンが放出された結果であったという考えにさらなる裏付けも与えている。

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