Nature ハイライト
微生物学:CRISPR干渉におけるセカンドメッセンジャー
Nature 548, 7669
CRISPR–Cas系は、原核生物において外来遺伝子エレメントに対する防御を提供している。この系は、主にRNAによって誘導される認識と干渉により、外来遺伝子の転写産物を検出・分解することで機能する。Csm6は外来転写産物を分解することが知られているCRISPR関連リボヌクレアーゼであるが、その活性が外来遺伝子の感知によって調節される仕組みは解明されていない。今回、Csm6が、III型干渉複合体内のCas10活性によって生じるサイクリックオリゴアデニル酸のセカンドメッセンジャーによって活性化されることが明らかになった。CRISPR干渉の調節におけるこの新たな機構は、哺乳類の自然免疫のある一面に類似しており、原核生物の免疫戦略ツールキットを拡大するものだ。
2017年8月31日号の Nature ハイライト
免疫療法:CRISPRスクリーニングによって、がん免疫療法抵抗性を誘導する遺伝子群が明らかに
微生物学:CRISPR干渉におけるセカンドメッセンジャー
生化学:ホルムアルデヒドの解毒が一炭素代謝を促進する
天文学:強い重力レンズの解析を加速させる機械学習
天文学:さそり座の新星は矮新星になっている
ナノ科学:細胞膜に「穴を開ける」分子機械
古気候学:火山由来の炭素が太古の気候を温暖化した
生物地球化学:藻類が大発生したとき
神経科学:睡眠誘発ニューロン
幹細胞:非ヒト霊長類でのパーキンソン病の緩和