Nature ハイライト
ナノ科学:細胞膜に「穴を開ける」分子機械
Nature 548, 7669
今回V García-Lópezたちは、紫外光で活性化された回転式分子機械が、in vitroで細胞膜に摂動を与え、穴を開けることができることを報告している。穴開け動作をしない分子は、洗濯機のようにパタパタ反転する動きかランダムな回転をし、一方向に動く分子と比較して、効率よく細胞膜を通り抜けることができなかった。膜に摂動を与えると、すぐに膜に突起ができてネクローシスが起こった。モーターの構造を立体的に変えると膜を通り抜ける輸送が遅くなったのに対し、分子モーターにペプチドを加えると特定細胞へのこの分子の標的化が可能になった。今回の研究は、生物工学に分子モーターを適用する新しい機会をもたらす。
2017年8月31日号の Nature ハイライト
免疫療法:CRISPRスクリーニングによって、がん免疫療法抵抗性を誘導する遺伝子群が明らかに
微生物学:CRISPR干渉におけるセカンドメッセンジャー
生化学:ホルムアルデヒドの解毒が一炭素代謝を促進する
天文学:強い重力レンズの解析を加速させる機械学習
天文学:さそり座の新星は矮新星になっている
ナノ科学:細胞膜に「穴を開ける」分子機械
古気候学:火山由来の炭素が太古の気候を温暖化した
生物地球化学:藻類が大発生したとき
神経科学:睡眠誘発ニューロン
幹細胞:非ヒト霊長類でのパーキンソン病の緩和