Nature ハイライト
ゲノミクス:ランの起源
Nature 549, 7672
顕花植物の約10%を占めるラン科の植物は、形態も生活様式も非常に多様である。ヤクシマラン亜科を構成するヤクシマラン属(Apostasia)は、ラン科の中で最も早い時期に分岐した系統の1つである。今回Z LiuとY Van de Peerたちは、ラン科植物の進化と多様性について調べるため、中国南東部に見られる自家受粉性のランApostasia shenzhenicaのゲノム塩基配列を解読した。彼らはまた、セッコク亜科の2種、ヒメコチョウラン(Phalaenopsis equestris)とキバナノセッコク(Dendrobium catenatum)のより高精度なゲノム塩基配列を明らかにするとともに、他の亜科の代表種のトランスクリプトームの解析結果も報告している。ラン科の全ての亜科を網羅した今回の解析により、ランの起源やゲノムの進化、適応、多様化に関する洞察が得られた。
2017年9月21日号の Nature ハイライト
神経科学:一連の予想外な神経事象を追跡する
免疫学:ニューロンによる免疫細胞の調節
物性物理学:挟まれたグラフェンが量子相のギャップを埋める
冶金学:工業合金の3D印刷
化学:人工的ジアステレオ異性体
ゲノミクス:ランの起源
神経科学:BRAF変異が脳疾患の原因となる
がん:色素沈着を誘導して皮膚がんを防ぐ
分子進化学:選ばれなかった無数の道
構造生物学:基本転写因子の構造