Nature ハイライト
がん:色素沈着を誘導して皮膚がんを防ぐ
Nature 549, 7672
赤毛で色白、かつ日焼けしにくい人は、黒色腫を発症するリスクが高い。このような人たちはメラノコルチン1受容体(MC1R)のバリアントを持っていることが多く、このバリアントはより広く見られるMC1R型に比べると色素沈着を誘導する能力が低い。R Cuiたちは今回、マウスでタンパク質のパルミトイル化という修飾を行うと、バリアントMC1Rの色素沈着誘導能が増強される仕組みを明らかにし、これが黒色腫発症の低下とつながることを示している。このような手法が実用化できるかどうかはまだ不明だが、今回の知見は黒色腫の予防戦略を示唆している可能性がある。
2017年9月21日号の Nature ハイライト
神経科学:一連の予想外な神経事象を追跡する
免疫学:ニューロンによる免疫細胞の調節
物性物理学:挟まれたグラフェンが量子相のギャップを埋める
冶金学:工業合金の3D印刷
化学:人工的ジアステレオ異性体
ゲノミクス:ランの起源
神経科学:BRAF変異が脳疾患の原因となる
がん:色素沈着を誘導して皮膚がんを防ぐ
分子進化学:選ばれなかった無数の道
構造生物学:基本転写因子の構造