Nature ハイライト
ナノスケール材料:膜中の間隙サイズのカチオンによる制御
Nature 550, 7676
これまで、酸化グラフェン膜は、イオンをふるい分ける手段となる可能性があり、浄水などさまざまな応用に役立つ可能性があると報告されてきた。今回、イオン自体を用いて層間隔を制御する簡単な代替法が実証されている。特定のカチオン(例えば、Mg2+、Li+、Na+)を含む水溶液に浸した酸化グラフェン膜を取り出して解析したところ、カチオンの種類を変えることによって酸化グラフェンシートの間隔を精密に制御でき、イオンサイズが小さくなると層間隔も狭くなることが示された。層間隔の狭い膜はより大きなカチオンを通さないため、こうした層間隔の制御によってイオンのふるい分けが可能になった。追加実験によって、層間隔を制御するカチオンはオキシド基と芳香環が共存する領域に吸着していることが明らかになった。
2017年10月19日号の Nature ハイライト
生化学:DNA修復におけるBRCA1の新たな役割
構造生物学:イオンチャネルをクローズアップ
素粒子物理学:反陽子の磁気モーメント
コンピューター科学:量子計算をヒッグス粒子に応用する
ナノスケール材料:膜中の間隙サイズのカチオンによる制御
光学材料:寿命の長い有機蓄光体
神経科学:性回路を形作る社会行動
神経生物学:レット症候群を救済するMeCP2
がん:腫瘍がクロマチン断片を感知する
分子生物学:CRISPRの校正